前のと直接つながってたりするので こちら読む前に http://www.nijibox2.com/futabafiles/001/src/sa29965.txt も見てもらえると嬉しいです。 うへ。 うへへへへへ。 ダメだ。顔がゆるむのが抑えらんない。 今でも信じられない。 あの大人しいサーニャがあんな大声で。 わ、わわ私をすすすす好きだって。 ニヤニヤしながら私は飛ぶ。 少し肌寒いけど、体が熱くて全く気にならなかった。 さっきのサーニャの声を反芻していると、小さく「エイラ、大好き」って聞こえてきた気がした。 思わず振り向くけど、魔力で向上した視力でも、サーニャはもう確認できなかった。 …幻聴かな。超浮かれてるもんな私。 でも、もしかして、もしかしたら、サーニャが魔法を使って届けてくれた、のかも知れない。 …うわぁ。 どうしよう。 死ぬ。幸せすぎて死ぬ。 もう魔力をうまくストライカーユニットに送れず、 へにょへにょと変な機動で私は基地に戻る。 それでもロクに下も見ず飛んでいたせいか、 気付いたらもう基地上空だった。 やばい、このゆるんだ顔何とかしないと。 必死で平静さを保とうとしながら着陸態勢に入る。 「おかえりなさい、ご苦労様」 管制室に帰還の報告をしに行ったら、ミーナ隊長がにこにこと出迎えてくれた。 哨戒任務中は誰かがその報告を聞かなきゃいけないわけで、 要するに起きてお留守番しなきゃいけない人がいるわけだけど、 それはたいてい隊長か坂本少佐がやってくれている。 本人達いわく「睡眠は取れる時にちゃんと取っているから大丈夫」らしいけど… 正直すごいと思う。 「はい、これ。よく寝られるわよ」 ホットミルクをもらった。 こういう心遣いもそつがない。いい奥さんになるよこの人。 「あ、ありがと」 ゆっくりとすする。 カップでにやけがちな口元を隠せるからありがたい。 「…で? マフラーと一緒に気持ちも渡せたのかしら?」 「んぶぅっ!?」 待った待った待った。 いきなり何言い出すのんこの人。 思わず顔面ミルクまみれになったまま隊長を見返す。 当の本人はもう楽しくて仕方がないと言わんばかりに微笑んでいた。 「だって貴女…ものすごい剣幕で  サーニャさんに会いに行く会いに行くってマフラーぶんぶん振り回して。  そりゃあ何かあったって思うわよ」 あぁ…だってその時はサーニャに嫌われたかと思って気が気じゃなかったから…。 とは言えるはずもなく、顔をタオルで拭くついでに隠してごまかした。 「で? どうなったのかしら? うふふふ」 前言撤回。 この人いい奥さんじゃなくていい井戸端会議要員になる。 「ど、どうもなってねーよ! 今まで通りだよ!」 うん、仲良しって意味では今まで通りだヨ。嘘言ってナイヨ。 「んー…、別に咎める気はないのよ? もう事ここに至っては、って風に見えるし」 何その手遅れみたいな言い方。 「…? どーいう意味?」 「だから、えーっと…気付いてないのは美緒とトゥルーデぐらいじゃないかしら。  宮藤さんとルッキーニさんは正直どっちかちょっとわからないけど」 「…は?」 「ある意味公認なんだから、あんまりサーニャさんを待たせちゃダ・メ・よ?」 「はああああああああ!?」 そんなバレバレだったのか私! 恥ずかしさのあまり頭を抱える。 ふと声のトーンを少し落として隊長が続ける。 「…貴女達はお互いを守れる力を持っているわ。  ウィッチならその想いも力に出来る。何としても二人とも生き残ってね」 思わず抱えた頭を上げ、隊長の顔を見る。 変わらず微笑んではいるけども、どこか寂しそうに見えた。 「あ…うん」 だからそれは隊長の命令というよりお願いに聞こえて、 素直に頷いた。 なんだかんだで、心配…してくれてんのかな。 「ま、それはともかく。引き止めてごめんなさいね、ここ最近の分ゆっくり休んで。  きちんとベストな体調維持できるなら、またサーニャさんと一緒の哨戒お願いするから。うふふ」 と思ったらすぐ元の笑顔に戻ってこれだ。 んもー今度は素直に頷くのすごい恥ずかしい言い方。 でもそれは是非お願いしたい。 「ん、じゃあ悪いけど…後お願いしまーす」 「えぇ、おやすみなさい」 自室のベッドに倒れこむ。 なんかもう、色々疲れた一日だった。 …でも。 うへへへへ。 一人になってまた自然とニヤける。 明日からどんな顔でみんなと会えばいいんだろうか。 明日からサーニャとどう接したらいいのかな。 ああ、なんて幸せな悩み。 解決策なんて一つも思い浮かばないまま枕に顔をうずめていると、 ここ数日の疲れが一気に襲い掛かってきた。 …なんか…頬が押されてる。 なんだこれ。 「んぅ」 声が漏れた。あぁ、私寝てたのか。 ぼんやりした頭に「きゃ」という小さい声が聞こえた。 「あー…サーニャ、おかえりー…ごめんな、寝てて」 むくりと起き上がる。 サーニャはベッドに正座してなんか固まってた。 「あう、ううん、ごめんなさい…」 「起こしたぐらいで気にしなくていーよ、今日もお疲れ様」 ホントに奥ゆかしくていい子だなぁ。天使じゃね? 「ううん、違うの…そうじゃなくて…」 と思ったらサーニャはまだモジモジしながら続けた。 「?」 「エイラのね…寝顔見てたらね、嬉しくて…ゆうべのこと、思い出してて」 ゆうべ。のこと。 「……!」 寝ぼけた頭が急激に覚醒する。 そ、そうじゃん! 私、昨日サーニャに、サーニャと! 心臓が急に跳ね上がる。 のに体は全く動かない。 「それで、あの…それでね、エイラと…そういう関係になれたから、  ……しても、許してくれるかなって」 「な、ななになななにを?」 赤くなってうつむくサーニャだけでももうダメになりそうだったけど、 それだけ口から搾り出した。 少しだけ顔を上げて上目遣いになったサーニャが問いに答える。 「…ほっぺに、キス」 死ぬ。 マジで死ぬ。 今度こそ死ぬ。 「それで…指でつついてみて、起きなかったら…しようって」 「じゃ、じゃあ、えっと、起きちゃったから、してない?」 「うん…まだ」 まだ!? それはつまり、今もしようと思っていたりなんかしたりするような状態にあると そう解釈してよろしいのでしょうか。 サーニャの顔をうかがうと、またすぐうつむいてしまった。 こうも恥ずかしがるという事は、やはり、その。 する気まんまんですねサーニャ。そうなんですね。 思わず生唾を飲み込む。でかい音が出た気がして更に緊張する。 「その…イヤなら…やめとくよ?」 聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声でサーニャが呟く。 いやいやいやいや! イヤなものですか! ていうか私が今までどれぐらいしたいと思ってきたか。 苦節の日々を思い出しながら、 私は反射的に激しく首を横に振っていた。ぶんぶんと。 「そ、そっか。…じゃあ…」 目の前一杯にサーニャの顔が近づいてくる。 うわ、すごい。 近いすごい近い。目の前がサーニャでいっぱいになる。 ってちょ、ちょっと待って! ここ、心の準備がー! ダメだ、声も出ない。ので固く目を閉じた。 頬に柔らかいものが触れた気がして、 いやそれは実際触れたわけだけど、 柔らかすぎて実感が持てないうちにまた離れた。 …終わってみると、何だか、こう。 これだけの事であれだけ慌ててた自分が何だかまぬけっぽい。 「…あっはは」 思わず口から笑いがもれた。 「えへへ…」 サーニャも照れながら微笑む。 …おお…あの可憐な唇が私に触れたんだなぁ…。 「これだけの事」って今言ったけど、 なんか、もう、すごい事だよこれ。 感動的だよ。マジで。 うん、これだけ幸せな気持ちになれるなら、まぬけでもなんでもいいや。 安心したみたいで、サーニャがばふっと私に抱きついてきた。 「ただいま…エイラ」 私のひざに頭を預け、甘えてくるサーニャ。 「うん、お帰り、サーニャ。今日もお疲れ様」 手でサーニャの髪をなでる。 あー…使い古された表現だけど、もうこのまま時間止まっちゃえばいいのに。 あんまり幸せすぎたので溜め息の一つでもつこうと思って、 ふっと視線をサーニャから中空に上げた瞬間。 ときめきとはまるで逆の、イヤな動悸が胸を打った。 ドアがほんの少し開いていた。 そこに揺れる二つの瞳。 綺麗なショートのブロンド。 なんで…よりによってこいつなんだ…! これ以上動揺してる状態なんて他にあるか、という私の表情に気付いた瞳の主…ハルトマンは、 ニ タ リ 。 と心から愉快そうな笑みを浮かべ。 「ちょっ…お前っ!」 私が声を上げるか上げないかというタイミングで、 静かにドアを閉めて去っていった…。 私が叫んだせいでがばっと起き上がったサーニャの頭と腰に、 それぞれぴょこんと耳と尻尾が生えた。 「…ハルトマンさん?」 「わ、すごいな、わかるのか」 「音拾っちゃった…『たまには早起きするもんだ〜』って歌ってる」 サーニャはそんな変な歌まねしちゃダメだ。美声がもったいないにも程がある。 「み、見られちゃった…のかな?」 あーうん、あれはもう映像を脳裏に刻みつけたと言っても過言じゃないほどのガン見っぷりだった。 でも…なぁ。サーニャを無駄に不安にするのもなぁ。 「アー、いや、大丈夫ダろ。たぶん」 とっさに言ってはみたものの、見事に声が裏返った。 サーニャがじっと見つめてくる。…うう。 案の定バレたっぽい。サーニャがしょぼんとしてしまった。 「あの…ごめんなさい…私、嬉しくて…調子に乗っちゃった」 「ああああいやいやいやサーニャは何にも悪くないよ! うん! むしろありがとう!」 「…そう?」 上目遣いに、不安げな瞳で見上げてくる。猫耳はへにゃっと伏せてしまっている。 …ありがとうハルトマン。 行動自体はアレだけど、このサーニャの顔を見れただけで感謝する価値があるよ。 「私も、うん。し、して欲しかったし」 「…もう、エイラったら」 サーニャの猫耳がピンと立ち、顔がほころぶ。 あーもう見られてもかまうもんか。だってこんなかわいいんだもん。仕方ないよもう不可抗力だよ。 「…あ」 私を見てるサーニャが声を上げた。 いや、視点は私じゃなくて私の後ろにピントがあってるな。 不思議に思って振り向くと、部屋にある時計が朝食の時間を指していた。 「あー、こんな時間だったのか」 「…さっきのハルトマンさんも、ごはんに呼びに来たのかも」 「起こしに来てるのになんで気付かないようにドア開けんだあいつは…」 その上結局用件を伝えていかない所も含めて、 つくづく、なんというか、あいつらしい。 「ま、とにかく食べに行くかー。私着替えるけど…サーニャは哨戒の服のまま来たんだな。  じゃあ先行ってていーよ」 「ううん…待ってるから一緒にいこ?」 耳と尻尾をしまったサーニャは、ベッドから立ってじっとこっちを見つめてくる。 ……。 なんだこれ。着替え見られるのヤケに恥ずかしいんですけど。 思わずしばらく固まる私。 今までこんな事なかったんだけど…っていうか! あのー、あれだ! そういう関係になった以上意識するなって方が無理だよ! 「あ、あー、そのー、ちょっと悪いんだけど、向こう向いててくんない?」 「……?」 サーニャはくりん、と首をかしげる。いちいち愛らしいなぁもう。 「いやうん、何でもない!」 説明するのはもっと恥ずかしかったからばばーっと服を着込む。 早着替えの記録なんてとった事ないけどとりあえず今日が生涯で一番速かったと思う。 「よ、よーし! じゃあ食堂行っか!」 ごまかすように声を上げた私を、サーニャが止める。 「待って、エイラ…ボタンずれてる」 んげ。言われた通り私は服のボタンを掛け違えていた。 私の前に立ったサーニャが、そのボタンを外し始める。 「うぇっ!? な、何やってんだサーニャ、そんなの自分でやるから!」 「うふふ…いいから」 なんでそんなに嬉しそうなんサーニャさん!? にこにこと私の服を脱がせていくサーニャって図は、 もう何かこの、一種背徳的っていうか、 いけない事をさせてるような、 いけない事をされてるような、 とにかくそのドキドキする。落ち着かない。 いたたまれなさに視線が部屋上を泳ぎまくる。 …そこで気付いた。 なんで さっき ハルトマンが閉めたドアが また開いてますか? そこから覗く瞳は今度は4つ。 先ほどと同じようにニタリニタリと悪魔のように微笑むハルトマンと、 頬に手を当て聖母のように微笑むミーナ隊長だった。 ドアに背を向けているサーニャはもちろん気付いてない。 事態の展開についていけず、ぴたりと固まってしまっている間に とうとうボタンは全部外されてしまった。 もう…なに? なにこのプレイ? ハルトマンが「ピュー」って余計な口笛吹きやがった。 「っ!?」 サーニャがバッと振り返る。 そこには悪びれもしない笑顔の二人。 後ろから見ててもサーニャが真っ赤になるのがわかった。耳まで赤くなってるから。 ごめんよ…サーニャには恥ずかしい思いさせたくなかった、でも何にもできなかったよ…。 「いやいやいやいや〜、朝から何とも刺激的だねぃ」 もうこのおっさんの頭しばきたい。ちっちゃいくせに。 「ち、ちが…あの…ボタンが、エイラの、えっと…」 わたわたと手を振るサーニャ。 ごめんよ…やっぱり恥ずかしがるサーニャもかわいいよ。 「私がボタン掛け違えてたのをサーニャが直してくれてただけでやましい事はないわけで  やましい事があるのはむしろそっちかと思いますよハルトマン中尉ぃ」 精一杯の皮肉を込めて言う。 「えー、やだなぁ。私これでも自重して、ミーナ以外には誰にも言ってないよー」 「その前に覗き行為自体がどうかって話だよー! しかもなんで二回!?  その上なんだって隊長にだけ言うんだっ!」 「ごめんなさい、それは私がお願いしてたの」 隊長がドアを開けて入ってきた。 「このところ二人がどうも落ち着かないみたいだったから、気になっちゃって。  プライベートに立ち入るようで悪いとは思ったんだけど、ほら、私達の力…メンタルにも左右されるから。  戦闘で何かあってから、というのは嫌だったの」 「…はぁ」 うん、まぁ、それは…反論できない。 昨日までの私なら、予知も出来たかどうか。 サーニャに嫌われたかと思ってたし、睡眠時間もグダグダだったし。 「ま、ゆうべのエイラさんと今朝のサーニャさんの様子見て安心してたんだけどね。  その…この二人はもう大丈夫そう、っていうのを、伝える時間がなくって」 「隊長殿から先日拝命いたしました依頼により偵察任務を遂行したわけでありまーす!」 こういう時だけ見事な敬礼を決めるハルトマン。しばきたい。 「あ、あの、まさか様子を見てってお願いでそこまでしてくれるって思ってなくて…ごめんなさいね」 …これも反論できない、というより、なんだ。 ツッコむ言葉が見つからない。 「でもこれで本当に安心したわ。  フラウが必死で呼ぶから何かあったかと思ったら…素敵だったわよ、新婚さんみたいで。うふふ…」 ぽかんとしていたサーニャの顔が再び真っ赤になる。 今度ばかりは私も「サーニャかわいい!」とか言ってる余裕がない。私も負けず劣らず真っ赤だろうから。 この人も面白がってるだろ絶対! しししし新婚て! 「ブーケは取りやすいように投げてね〜。ししし」 ハルトマンの一言で私のどこかがキレた。 体が怒りと恥ずかしさでプルプルと震える。 二人はすぐ気付いたみたいで後ずさりし始めた。 「あらあら、他の人にはまだヒミツにしておくから安心してねっ」 「食堂で待ってるよ〜」 「んーもーーー!! あんたらあああーーーー!!」 私が大声上げてぜーぜー言ってる隙に二人はあっと言う間に行ってしまった。 ドアから覗いてももう廊下にすらいない。 ハルトマンはともかく隊長まで超はえー。 カールスラント怖い。 ちくしょう。ついさっきまで二人きりのいい雰囲気だったのが嘘みたい。 「…今度こそ、ば、ばれちゃった…ね」 もじもじと手を合わせながらサーニャが言う。 「うん、まぁ、隊長がヒミツにしとくって言うなら大丈夫だと思うけど…」 でも他の人にもバレバレだっつってたな隊長。うう。 「…ま、いーか。別に隊で噂とかされてても。  私がサーニャを、その、うん。  す、…好きなのは、ホントなんだし」 「…エイラ…!」 サーニャが抱きついてくる。 うおおおぅ…! ちょっと恥ずかしいセリフかと思ったけど言ってよかった! でも頭をすりすりしてくるサーニャがかわいすぎて狂っちまいそうです! 「ほ、ほら! 私たちも飯食おう! サーニャも任務でお腹すいただろ?」 自ら幸せを壊す私が憎い。 でもマジで鼻血出そうだったから。 「うん…じゃボタン、つけちゃうね」 私の前に膝をついて、サーニャが開けっ放しだった私のボタンに手をかけた。 「え! だ、だからもう! 私がやるって!」 「えへへ…いいからぁ」 だからなんでそんなに嬉しそうなんですかサーニャさん! 新婚さんっぽいからですかちくしょう隊長め火をつけやがって! 「…うん、終わり」 良かった。今度は誰も来なくて本当に良かった。 脱がされる時と違って、 今度は服をちゃんと着れない子供の面倒をお母さんが見てあげているの図、みたいで ただひたすら恥ずかしかった…。 いや実際私がちゃんと着られなかったからこんな事になったわけだけど。 「じゃあ…行こ?」 サーニャがにっこりと微笑んだ。 あー。サーニャが嬉しそうだから…いっか。 廊下を歩きながら、一息つく。 なんかすごい疲れた。まだ朝なのに。 でも、ちらっと振り向くと さっきからずっと上機嫌のサーニャが、私の一歩後をちょこちょことついてくるのが見える。 こんなに機嫌のいいサーニャ見るの、もしかしたら初めて…かな。 来たばっかの頃は、ずっと寂しそうだったし。親と離れ離れになったんだから当然だけど。 それからも隊のみんなとなかなか話できないみたいで。 そんなサーニャに話しかける時は、いつも「迷惑なんじゃないか」って不安だったなー。 ホントは一人で静かに過ごすのが好きなんじゃないかって。 でも…そうじゃなかったんだよな。 今サーニャが微笑んでくれてるのは、私のおかげ…って思っても、いいんだよな? なんか胸が熱くなった。 サーニャが横にいてくれる事に、すごい感謝の気持ちが湧き上がってきて。 気付いたらサーニャの手を握っていた。 「わ…エイラ?」 「あの、さ。私の後ろじゃなくて、並んで行こ?」 私の隣にいて欲しい。 振り返らないと見えない場所じゃなくて、いつでも一緒って思える場所に。 「え、…うん、わかった」 少しはにかみながらサーニャが隣に来てくれる。 うん、よし。 私は何があってもこの子を守り抜く。 それが私の傍にいてくれる事への恩返しになるかどうかわからないけど。 サーニャ、ずっと笑顔でいてくれるよう、できる限り頑張るから。 決意をこめて、サーニャの手を握った。 …それにしてもサーニャの手マジすべすべー。かつやーらかい。 こんな手であんな物騒な武器振り回してるとは思えない。 うあーやべー私手に汗かいてないかなーサーニャ気持ち悪くないかなー。 んあああ意識したらすげー暑くなってきた! 手も暑いし顔も暑い! 「エイラ…?」 「うんちょっと待ってこの赤い顔で食堂入るのやばいからすぐ落ち着けるからうんちょっとだけ待って」 「…うふふ、もう、エイラったら」 ・エイラ主観にしたらなんだかすごく書きやすくて  ある程度進めてから気付いたんですけどこんなに書きやすいのキモい人の影響受けてるからだな、と   参考にしすぎかも知れん、と  ごめんなさい ・隊長が好きなのかも知れん 油断したら出てくる ・エーリカマジジョーカー的存在